中小建設業者は若年技術者の雇用と育成に取り組もう!

こんにちは。“入札コンサルティングを通して建設業者さんの売上に貢献する”行政書士の小林裕門です。8月26日付けの建通新聞に、興味深い記事を見つけました。簡単に記事の内容をご紹介するとともに、そこから見えてくる売上10億円以下の中小建設業者が優先的に取り組むべきW評点(その他の審査項目(社会性等))について検討します。

若年技術者の確保 中小ほど厳しい状況

8月26日付けの建通新聞(東京版)の第一面に、このタイトルがあり、個人的に目を引かれました。記事を簡単にまとめると次のとおりです。


建通新聞さん独自の調査によると、完成工事高の規模が小さい建設業者ほど若年技術職員の育成・確保が難しくなっている状況が浮き彫りになった。東京都内に主たる営業所のある経審を受けている建設業者(知事許可・大臣許可とも)を対象に調査を行ったところ、「若年技術職員の継続的な育成及び確保」の項目で加点を得ている建設業者の割合が、完工高100億円以上の会社では34.6%なのに対し、完工高3億円未満では14.7%に留まり、さらには「新規若年技術職員の育成及び確保」では完工高100億円以上の会社では74.0%なのに対し、完工高3億円未満ではわずか6.2%しかない。記事ではこれら以外の項目についても割合が掲載されていましたので、ここではそれを少し加工したものを掲載しておきます。

W評点の評価項目
(一部のみ)
平均完成工事高(合計7,383者)
100億円以上
(361者)
50~100億円
(214者)
10~50億円
(1,078者)
10億円未満
(5,730者)
建退共 68.7% 57.0% 50.6% 45.0%
退職金・企業年金 97.5% 96.3% 88.9% 56.5%
上乗せ労災 65.4% 74.8% 74.5% 60.1%
防災協定 55.7% 36.0% 39.2% 42.5%
ISO9001 47.1% 36.9% 22.8% 4.1%
ISO14001 40.7% 21.0% 10.1% 2.0%
若年継続 34.6% 30.4% 24.3% 10.7%
新規若年 74.0% 63.6% 36.2% 9.4%

低い低いとは思っていたけれども、こうやって数字にしてみるとなかなか衝撃的です。しかし、この結果を見て「大きい企業はいいよなぁ」とボヤいているようでは困ります。この調査結果をぜひとも自社に活かしていただきたいのです。

あなたの会社が取り組むべき評価項目はどれ?

完工高10億円未満の中小建設業者でも加点を得ている業者数が多い項目は、①上乗せ労災、②退職金・企業年金、③建退共の順になっています。裏を返せば、これら3つはライバル会社は入っているものだと思え!ということです。1つ入っていないだけで経審の点数(P点)で20点違ってきますから、それだけでライバルに差をつけられていることになりますし、この20点を技術職員数や経営状況分析(Y点)で取り返すのはなかなかに大変です。したがって、これらの項目で加点を得られていない方はまず検討すると良いでしょう。

逆にISO9001とISO14001ですが、ここで加点を得られている中小建設業者はほとんどありません。なので、ライバル会社に差をつけるチャンスではあるのですが、個人的にはあまりISOはおススメしていません。オススメしない理由は、やはりコストです。以前と比べてだいぶ安くなったようですが、それでも毎年数十万円の維持費がかかるようです。それでいて得られる加点もP点換算で約7点なので費用対効果を考えるとあと回しで良いというのが個人的な見解です。

ここで着目したいのが、前述の建通新聞の記事にもなっている「若年技術職員の継続的な育成及び確保」と「新規若年技術職員の育成及び確保」の項目です。この項目だけで考えれば加点は少ないのですが、技術職員としての加点がもらえるのでセットで考えればP点も稼げますし、人の問題は短期的に解決できるものではないため若手であれば未経験から資格取得して一人前になるまで育てるという中長期的な取り組みが必要になってきます。中小建設業者では資金的余裕と時間的余裕が少なくて、なかなかこれができずにいます。それゆえ、あえてここで勝負する。あえて若手の採用を積極的に行う、育成についてきちんと計画を練る、会社のビジョンを共有するといったことに取り組むことが必要です。効果が出るのは少し先になるかもしれませんが、理想形としては、若手が若手を呼んできてくれるような企業風土を目指しましょう。

建設業界は今人手不足なので、求人に関しては売り手市場です。中途採用で資格者を雇用すると高くつきますし、なかなか若い人が入ってこない、定着しないという社長の悩みをよく耳にします。きれいごとだと言われるかもしれませんが、高いお金を払って中途採用をするのではなく、生え抜き戦士を作り出して定着してもらう工夫をすることが、これからの中小建設業者にはより一層求められています。

 
行政書士法人Co-Labo
 

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