建設業専門の行政書士として活動してきた15年の集大成が、本になりました!
令和3年8月7日に発売(amazonでは7日より順次発送のようです)になりますが、出版に至った経緯や本に込めた想いなどをインタビューしていただきました。1人でも多くの社長やご担当者に読んでいただき、「公共工事が獲れた!」というご報告をいただけたらこの上ない喜びです。
出版記念インタビュー
本日は、『中小建設業者のための「公共工事」受注の最強ガイド』を出版された行政書士法人Co-Laboの代表行政書士、小林裕門さんにお話をお伺いします。小林さん、よろしくお願いいたします。
小林よろしくお願いいたします。
早速ですが、まずは『中小建設業者のための「公共工事」受注の最強ガイド』を出版された経緯について教えてください。
小林弊社は平成19年に4月に開業して15年目に入ったところなのですが、建設関係許認可の専門家として、「いつかは専門分野の本を出したい」とずっと思っていました。これまで、共著での出版や加除式本の改訂作業に携わったことはありましたが、“専門家”と名乗るなら本の1冊や2冊くらい書いていなきゃって思っていたんですね。そういう意味では、ずっとチャンスをうかがっていました。
その「ずっとチャンスをうかがっていた」という状態から、何がきっかけで今回実際に書籍が出版されるまでに話が具体化したのでしょうか。
小林私ごとで恐縮なのですが、この8月(令和3年8月)で41歳になります。実は、40歳になった時に、「40歳のうちに出版する!」という目標を掲げていたんです。ブログ形式で本の元ネタを書き溜めてはいましたが、今年に入って「ヤバい、出版に向けて全然動けていない!」と気づきました(笑)
今年に入ってからということは、既にタイムリミットはかなり迫っていたのですよね?
小林そうなりますね(笑)。とにかく40歳のうちになんとか1冊目を、ということで、9年も前にご縁をいただいていた出版コーディネーターの小山さん(http://www.imprve.com/)に相談してみたのですが、そこから企画書を添削してもらい、あとは驚くようにトントン拍子で話が決まりました。
行政書士法人の代表を務めながら、書籍のために原稿執筆まで手を広げるというのは、普段動いている業務もありますからなかなかに大変そうです。
小林「出版したい」と思ってもなにから手を付けて良いかわかりませんし、企画書が必要らしいとわかってもどう書いて良いかわかりませんし、企画書を漠然と出版社に持ち込んでも見てもらうことは困難です。企画書の書き方と添削、出版社への持ち込みなどなかなか自分ではできることではないので、出版をお考えの方は、私のように出版コーディネーターさんに相談されてみるのもよいと思います。
ところで今回、書籍のタイトルが『中小建設業者のための「公共工事」受注の最強ガイド』ということで、建設業者さんの中でも公共工事受注を検討されている方、あるいは公共工事受注をより活用していきたい方がターゲットになっています。なぜ建設業許可ではなく、公共工事の受注、つまり経営事項審査(経審)と入札参加登録をテーマにしたのでしょうか?
小林建設業許可をテーマにすると、行政ごとのいわゆるローカルルールが多すぎるため、どうしても「詳細は申請する行政庁に確認してください。」ばかりになってしまうんですよね(苦笑)。
また、建設業許可については諸先輩方に教わってきたことも多く、それは誰のものでもない知識の系譜なので、“私が書く理由”が見つかりませんでした。
経審と入札には開業して6,7年目くらいから力を入れていたと思います。なんでそこに目を付けたかと問われると困るのですが、「経審や入札参加登録次第で、公共工事を獲れたり獲れなかったりするの、おもしろいな~」と思ったのがきっかけですね。
最初はそこまで具体的ではなく、漠然とした「面白さ」「興味深さ」だったと。
小林今思えばそうですね。色々と研究したり、戦略を考えてシミュレーションしたりするのが、オタク気質の自分に合っていたのだと思います。ゲームの話で恐縮ですが、シムシティとかダビスタとか、めっちゃ好きでした。経審と入札参加登録をお客様と一緒に考えて、策がハマったときの“してやったり感”がとても気持ち良いです。
その後は経審と入札に戦略的に取り組むことで着実に成果を出されているお客様が増えてきて、さらに一般社団法人キャッシュフローコーチ協会での学びが加わったことで、ここ2,3年で、今まで漠然とやってきたことが再現性のある手法としてまとまってきました。
そこで、今までやってきたことを本という形でまとめようと思ったのです。
実際、書籍としてまとめる作業ではどのようなことを考えられましたか?
小林「本よ、売れてくれ~!」という一心で。
…というのは冗談です。
(笑)
小林まず第一には、中小建設業者さんが公共工事を受注することで、お金とやりがいの両方を得てもらいたいと思いながら書きました。
これは本書の「はじめに」でも触れているのですが、公共工事に関してはもったいないことをしている中小建設業者さんが結構います。大きい会社であれば経審担当を専属でおいていることもありますが、中小建設業者さんではそうはいきません。どうしても片手間になってしまいます。それゆえ、事前の対策が不十分で、思うように結果を出せていないことが多いんですよね。
確かに、経営事項審査は「なんとなく」「できる範囲で」という対応になってしまう中小企業さんは多そうです。
小林そうなんです。なので、本書では、決算前にやるべき対策と決算後でも間に合う対策を分けて把握してもらえるよう構成に工夫しました。これだけでも、今後の経審への取り組み方が変わってくると思います。
ただ、こうしたテクニック(やり方)の部分はすぐに役に立つ点は魅力的なのですが、公共工事を受注し続けていく上では思考法(あり方)も大切です。色々な場面で言われることですが、やり方とあり方は車の両輪です。テクニックだけでは長続きしませんし、マインドだけでも会社は続けていけません。
そのあたりが『中小建設業者のための「公共工事」受注の最強ガイド』の特徴なのですね。
小林テクニックに触れた経審と入札関係の書籍はこれまでにあっても、思考法まで触れた本はないのではないかと思います。
経審のテクニックに留まらない本書は、どんな方に手に取って欲しいと思われていますか?
小林本のタイトルにもなっていますが、中小建設業者の社長さんを頭に浮かべながら執筆をしました。中小建設業者の定義は難しいですが、「売上10億円以下」を想定しています。統計を取ったわけではないですけど、社長自身が経審や入札参加登録を行っていたり、社長の奥様が総務や経理を担当していたりするのが、売上10億円前後までという印象だからです。
まずは、売上10億円以下の建設業者さんが対象ということですね。
小林もちろんそれ以外にも、建設業者さんで経審を担当している総務や経理のご担当者にも読んでもらえれば嬉しいです。必ず得られるものがあると思います。
また、中小建設業者に関与されている行政書士さんと税理士さんにもお手に取っていただきたいと思っています。僕の考えとして、「経審と入札参加登録は誰がやっても同じではなく、関わる人によって結果は変わる」というのが根底にあります。
許可申請は「許可が下りる」という結果で差が付きにくいところ、経審関係の業務だと誰に依頼するかで結果が変わってくる業務である、と。
小林行政書士さんには、経審と入札のお手伝いはお客様の売上に貢献できる仕事だと思うので、手続き業務で終わらずに、会社と一緒に営業戦略を考えたりしてもっと会社に深く関わるためのきっかけにしてもらえると嬉しいです。
また、税理士さんには、「決算書と建設業財務諸表は別もの!」というのと、経審の一部である経営状況分析(Y点)でなにがどう評価されているのかを知っておいてもらいたいなと思います。
行政書士さんだけでなく、税理士さんにも参考になる部分があるのですね。
小林本書で触れているような評価のポイントを把握した上で建設業者さんに提案ができると、「この税理士さんは経審のこともわかっているな」と社長の満足度も上がり、顧問料アップにも繋がるのではないかと思っています。
戦略的に経審を受けるために、中小建設業者の社長さん、税理士さん、行政書士さんに読んでもらい、チームの共通言語の一冊となれば最高ですね。
最後になりますが、『中小建設業者のための「公共工事」受注の最強ガイド』で特に読んでもらいたい部分はありますか?
小林「全部です!」と言いたいところですが、あえて挙げるとすれば2章と4章です。
具体的には、2章と4章ではどのような点に触れられているのでしょうか。
小林2章は先ほどお伝えした“あり方”の部分、公共工事を受注するために必要な思考法について書いています。建設業者さんだけではなく、経審と入札参加登録を業務として扱う行政書士さんにも参考になる部分かと思います。
4章では、建設業財務諸表のつくり方と財務改善策をご紹介しています。建設業者さんには自社の建設業財務諸表(決算書)をブロック図で「見える化」して、現状把握してみてほしいと思います。課題解決はすべて現状把握から始まるといっても過言ではありません。自社の課題が見えてくるはずです。
本書に目を通すことで、中小企業の建設業者さん、行政書士さん、そして税理士さん、建設業や経営事項審査に関わる多くの人が、なんらかの気づきや新しい視点を得ることができそうです。本日はお忙しい中、ありがとうございました。
小林ありがとうございました!
書籍紹介
建設業として許可を受けた業者は全国に約47万社あります。そのなかで、ただ生き残るのではなく、“勝ち残っていく”ためには、売上と利益に大きく貢献する「公共工事」を受注することが一番です。特に中小の建設業者には公共工事の受注が欠かせません。
中小建設業者が公共工事を受注するためには、「どこの役所の」「どの業種の」「どれくらいの規模(金額)の工事」を受注したいのかというゴールをまず明確にすることです。そして、そこから逆算して自社の受注活動に有利な経営事項審査(経審)の点数を取るという“逆算思考”が公共工事受注への近道です。
本書は、建設業界専門の「ガテン系行政書士」を自認する著者が、入札制度のしくみ、経審のメカニズムから、経審の点数の上げ方、経営状況分析のしかた、建設業財務諸表のつくり方など受注を実現するためのノウハウまで、とっておきの極意&テクニックを大公開!売上10億円未満の中小建設業者の社長や担当者はもちろん、それをサポートする行政書士や税理士にもすぐに役立つ1冊です!