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[公共工事・入札]

スーパーゼネコンの経審の秘密を暴露します

  • 投稿:2020年11月24日
  • 更新:2024年01月21日

前回、3保険の適用除外について説明しました。「除外」について確認したところで、今回はスーパーゼネコンの超意外な事実をお伝えします。

スーパーゼネコンは「健康保険」に入っていない!

見出しのとおりですが、スーパーゼネコンは健康保険に入っておらず、経審の「健康保険の加入の有無」の評価項目が「除外」になっています。スーパーゼネコン5社(清水建設、大成建設、鹿島建設、大林組、竹中工務店)の個別の経審結果については、一般財団法人建設業情報管理センター(CIIC)のHPで公表されていますので、興味があればご自身で検索して見てみてください。

初めてこれを知った時はとても驚きました。ゼネコンの下請で仕事をしている中小建設業者さんから、「うちは土建国保だけど社会保険に入れと言われている」とか、「個人事業なんだけど法人化して社会保険に入るようにと言われている」といったご相談をいただいていたので、下請業者に対して健康保険にきちんと入るように指導する立場でありながら、自社は健康保険を「除外」されているってどういうことなんだ!と不思議で仕方がありませんでした。なぜスーパーゼネコンは「健康保険の加入の有無」が「除外」になっているのでしょうか?

気になって調べてみたところ、スーパーゼネコン5社は全国土木建築国民健康保険組合に加入しているため「除外」となっているのです。前回の記事でも説明しましたが、全国土木建築国民健康保険組合はその名のとおり国民健康保険の例外的な位置づけであり、「健康保険」ではありません。

なぜ全国土木建築国民健康保険組合のままで健康保険ではないのかというと、健康保険法ができたときに土木建築業の現場労働者は適用対象外だったので、同業者で組織する国民健康保険組合を設立したという歴史的背景があるそうです。(全国土木建築国民健康保険組合HPより)今はそんなことはなく、土木建築業でも健康保険に加入することができるのは言うまでもありません。

国民健康保険組合の方が保険料が安い

健康保険に移行せず国民健康保険組合のままでいるのには何か理由があるのだろうなぁと思いますが、真っ先に思いつくのが保険料の安さです。

まず健康保険の代表とも言うべき協会けんぽについて見てみます。下の表をご覧ください。40~64歳の介護保険料の負担がある人の場合、一番低額の1等級のときの保険料は6,762円です。協会けんぽの場合、会社と労働者が保険料を折半する仕組みなので、それぞれ3,381円を毎月負担することになります。

一方で、全国土木建築国民健康保険組合の保険料額表を見てみると、一番低額の1等級のときの保険料は6,140円となっています。協会けんぽと比べると1割ほど保険料が安いんです!1等級だと622円の差でしかありませんが、一番上の等級になると15,000円強の差が生じてきます。毎月この金額の差は大きいですよね。

「スーパーゼネコン、儲かっているのに保険料安くてズルい!」と言いたくなりますが、よくよく見てみると事業主負担分は協会けんぽ(3,381円)<全国土木建築国民健康保険組合(3,450円)となっています。つまり、協会けんぽは労使折半で保険料を負担するところを、全国土木建築国民健康保険組合では労働者の保険料負担割合を軽減してくれているわけです。羨ましい(笑)

国保組合って保険料が安くてずるいなと思っていましたが、全国土木建築国民健康保険組合のように事業主負担割合が健康保険より大きく、労働者負担を減らしてくれているものもあるのですね。ただ、某国保組合では最大で月々45,000円というところもあり、やはり不公平感は否めません。

社会保険未加入対策の趣旨は労働環境の改善による若年労働力の確保という側面もありますが、公正な入札の実現という側面もあったはずです。歴史的な背景があるとは言え、公正な入札を実現するには健康保険を統一する必要があるのではないかと個人的には考えています。

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