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[公共工事・入札]

電子入札に必要な電子証明書はどの会社のものが良いか

  • 投稿:2020年09月26日
  • 更新:2024年01月21日

こんにちは。“入札コンサルティングを通して建設業者さんの売上に貢献する”行政書士の小林裕門です。経審や入札参加登録のサポートをしていると、電子入札の環境についてご相談いただくことが結構あります。パソコンの設定や電子入札に使用する電子証明書についてのご相談が多いので、まずは電子証明書の選び方についてレクチャーします。

で、結局どこの電子証明書が良いの?

電子証明書は、公共工事に参入するにあたって必ず必要になります。入札参加登録のときにはIDとパスワードで登録申請を行うのでこの段階では電子証明書は必要ありませんが、実際に案件に入札するとなると電子入札を導入しているところがほとんどです。また、東京都東京電子自治体共同運営(都下の区市町村の電子入札システム)のように、入札参加登録の段階から電子証明書を使って手続きをするところもあります。この点、初めて公共工事に参入する場合に必ずきかれるのが、「どこの電子証明書が良いの?」というご質問です。

まず、覚えておいて欲しいのが、各自治体や団体が用意している電子入札システムは、ほぼすべてのシステムが電子入札コアシステムというものをベースにしているということです。したがって、電子入札に使用する電子証明書はこのコアシステムに対応しているものである必要があります。コアシステムのHPを見ると、本記事を書いている令和2年9月16日現在、以下の選択肢があります。詳細はこちらをご確認ください。なお、各社で新規割引や複数枚割引などの割引制度がありますので、あくまで参考としてご覧ください。

電子証明書の発行会社(認証局)有効期間が最長な場合の値段(税抜)
株式会社NTTネオメイト58,000円(有効期間5年)
三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社40,000円(有効期間4年10か月)
株式会社帝国データバンク48,000円(有効期間4年10か月)
東北インフォメーション・システムズ株式会社44,000円(有効期間4年6か月)
日本電子認証株式会社60,000円(有効期間5年)
電子認証登記所(商業登記に基づく電子認証)※172,600円(有効期間2年3か月)※2
※1 ファイル形式ではなくICカード形式(発行は日本電子認証)に限ります。
※2 別途、法務局への手数料が必要です。

このように電子証明書の発行会社(認証局)は6つありますが、各社のHPを見ても違いがわかりづらいです。値段だけ見ると三菱電機インフォメーションネットワークのものが一番安いですが、私は今まで一度も見たことがありません。私が今まで見たことがあるのは、帝国データバンク、日本電子認証、電子認証登記所(商業登記に基づく電子認証)の3つだけです。

これは地域性なのかもしれませんが、東京都と東京電子自治体共同運営の入札参加登録では古くはフロッピーディスク形式の電子証明書を使っていて、その時の認証局は日本電子認証と帝国データバンクしかありませんでした。数年後にはセキュリティー面を考慮してICカード形式に切り替わったのですが、その頃の名残もあり、東京都の建設業者の間では、日本電子認証と帝国データバンクのどちらかを利用されているところが圧倒的に多いです。都内に限ると、感覚的には2社でシェア95%を超えるのではないでしょうか。

そんな雑談はさておき、この2社についてそれぞれのメリットとデメリットをお伝えしておきます。

値段は安めだけど、代理人が受け取るのは面倒な帝国データバンク

上の表を見てわかるとおり、帝国データバンクの電子証明書はちょうど真ん中の価格設定と言えます。帝国データバンクという会社名は社長の皆さんであればご存知でしょうから、ネームバリューもあって安心できる部分もあるのではないでしょうか。しかし、帝国データバンクの電子証明書は、本人に代わって代理人が電子証明書を受け取る場合に少し面倒なのです。

(帝国データバンクHPより引用)

電子証明書はとても大事なものなので、発行者個人(通常は社長)の住民票所在地宛てに本人限定郵便で送付されます。この本人限定郵便がとても曲者で、電子証明書が住民票所在地に直接送付されてくるのではなく、一度管轄の郵便局本局に留め置き、その郵便局本局から「本人限定郵便到着のお知らせ」という通知書が届きます。そのお知らせを受け取ったら、日時指定で自宅にて受け取るか本局の窓口まで取りに行くことになります。(本人限定郵便でも「基本型」は窓口渡しのみ、「特例型」は配達ありです。なお、受け取りの郵便局は変更することも可能です。)

発行者本人が受け取るのであればなんの問題もないのですが、代理人が受け取る場合は上記の2で届いた「本人限定郵便到着のお知らせ」という通知書を代理人に渡す必要があります。社長と従業員の距離が近くてすぐに渡せるのであれば良いのですが、実際に使用する営業所が別な場所にあったり行政書士が代理人となったりという場合には、通知書の受け渡しで手間がかかるため、少し面倒です。代理人を設定する場合には注意したいポイントです。したがって、発行者(通常は社長)自らが受け取るのであれば帝国データバンクは良い選択肢と言えるでしょう。

値段は高めだけど、代理人が受け取りやすい日本電子認証

一方で、私は日本電子認証をおススメすることが多いのですが、こうやって値段を比較すると割高感は否めませんね。少し驚いています。私がなぜ日本電子認証をおススメしているかというと、代理人が受け取りやすいというのが大きな理由です。

(日本電子認証HPより引用)

日本電子認証の場合は電子証明書の本人限定郵便が最初から代理人宛てに届きます。なので、発行者本人から通知書を受け取る必要がないので、前述の帝国データバンクのように通知書の受け渡しで悩むようなことはなく、代理人を設定した場合でもスムーズに電子証明書を受け取ることが可能です。「社長に取りに行ってもらうのは悪いなぁ」とか「すべて行政書士に任せてしまおう」といった場合には、代理人がスムーズに受け取れる日本電子認証の方が良いと思います。ただし、この場合には本人から代理人宛ての委任状と代理人の印鑑証明書が必要になりますのでご注意ください。

なお、帝国データバンク、日本電子認証いずれの場合も、電子証明書を使うときの暗証番号(PINコード)は発行者本人宛に書留で届きます。

残りの認証局については利用したことがないので正直わかりませんが、認証局を決める上では、①値段、②受け取りのしやすさ、③電子証明書の受領証の送付をオンラインでできるか、④電子証明書の買い替え時の割引などを考慮してみてください。

ちなみに、グループ会社が何社かあるような場合には会社ごとに別の認証局にするのではなく、1社にまとめておきましょう。電子証明書を使用するときのソフトウェアが認証局ごとに異なるため、複数あるといつまでも慣れませんし、パソコンを1台設定しておけば同じ認証局であれば別会社の電子証明書を使用することもできるので、いざというときに助かるはずです。

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