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[公共工事・入札]

決算書と建設業財務諸表は別モノです!

  • 投稿:2020年08月02日
  • 更新:2024年01月21日

こんにちは。“入札コンサルティングを通して建設業者さんの売上に貢献する”行政書士の小林裕門です。今日は、このホームページに掲載しているコンテンツをご覧いただく上で、あらかじめ覚えておいていただきたいことをお伝えします。

「決算書」と「建設業財務諸表」の言葉の定義

1つは、言葉の定義についてです。私は、「決算書」と「建設業財務諸表」という言葉を意図的に使い分けています。言葉の定義を揃えるのってとても大切なことなんですが、ついついおろそかにしてしまいがちです。例えば、お客様に「確定申告書を送ってください」とお願いすると、申告書の表紙1枚だけを送ってくる社長もいれば、申告書から勘定科目内訳書まで一式を送ってくる社長もいます。普段何気なく遣っている1つ1つの言葉の定義は、人によって異なるんですよね。これは日々業務に当たっていて、切に感じているところです。そこで、当ホームページのコンテンツをお読みいただく上でそういった誤解が生じないように、そして正しい理解がスムーズに進むように、「決算書」と「建設業財務諸表」を次のように定義しておきたいと思います。

  • 決算書=税理士さんが作成する確定申告書に付属している貸借対照表、損益計算書(販管費明細と原価報告書を含む)、変動計算書及び注記表
  • 建設業財務諸表=建設業許可申請や届出で使用する法定様式の貸借対照表、損益計算書、完成工事原価報告書、変動計算書及び注記表

経審と入札に取り組む上では、両方とも同じ決算期間の数字を表している書類ではありますが、「決算書と建設業財務諸表は別モノである」ということを頭の片隅に置いておいてください。

建設業財務諸表の作成は、“翻訳”である。

もう1つは、建設業財務諸表を作成する作業は、“翻訳”であるということです。コンテンツを読んでいただくと、一見すると税理士さんの会計処理を否定したり、間違いを指摘したりしているように見えることがあるかもしれません。しかし、税理士さんの作成する決算書は税務上必要な書類であり、適正に処理されていること自体は疑いがありません。一方で、建設業財務諸表は建設業法令、建設業会計、経営事項審査のルールに則って作成する必要があります。要するに、「言語が違う」のです。例えるなら、「今、何時ですか?」と「What time is it now?」は同じ意味ですが、日本語と英語という言語の違いから単語も文法も異なるのと同じです。同じことを表現していても、言語が違えば見え方は違ってきます。

そして、翻訳には、単語をそのまま置き換える直訳もあれば、文脈や背景を理解して訳す意訳もあります。決算書を転記(直訳)するだけでも意味は通じるので、経営状況分析機関や役所は何も言いません。しかし、実は建設業法令、建設業会計、経営事項審査のルールに則って意訳することで、より実態に沿うものになることが多いのです。そして、それが経審上有利になるなら、使わない手はないですよね。

なので、社長は「うちの税理士はなにもしてくれない!」と税理士さんを追及するのではなく、「うちの売上UPのために行政書士の話も聞いてみてくれ。」と、税理士さんをうまく巻き込んでいけるように協力を仰ぎましょう。

翻訳の大切さは007が教えてくれた

最後に余談ですが、翻訳の大切さは私の大好きな映画007が教えてくれました。『ユア・アイズ・オンリー』という作品の劇中に“FOR YOUR EYES ONLY”というフレーズが出てくるのですが、直訳すれば「あなたが読む以外禁止」という意味のものを、「読後焼却すべし」と訳していたのを見たときは、そのセンスに鳥肌が立ちました。

同じ文章でも翻訳の仕方によって人により感動を与えることができるのだから、同じ書類でも翻訳の仕方によってより実態を伝えることができるはずです。当ホームページではそのためのエッセンスを伝えるために、コンテンツを充実させていきますので、ご期待ください。

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