中小建設業者は、経営状況分析のココに注力せよ!

こんにちは。“入札コンサルティングを通して建設業者さんの売上に貢献する”行政書士の小林裕門です。『 公共工事の受注に繋がる決算書とは? 』の記事で、経審を受ける上で知っておきたい、経営状況分析における貸借対照表と損益計算書それぞれの鉄則をお伝えしました。これとともにもう1つ、社長に覚えておいていただきたいことが今回のテーマです。

経営状況分析(Y点)の8指標は平等ではない!

さて、このあと8回連続で経営状況分析について解説していきますが、その前に経営状況分析の全体像を把握しておきましょう。経営状況分析(Y点)は次の8つの指標で構成されていて、それぞれ決まった係数をかけ算して計算します。(計算式は覚える必要がないので省略します。)

1、純支払利息比率
2、負債回転期間
3、総資本売上総利益率
4、売上高経常利益率
5、自己資本対固定資産比率
6、自己資本比率
7、営業キャッシュフロー
8、利益剰余金

8つの指標についての求め方(計算式)と、それぞれの指標を計算して出た数値の一番良い数値と一番悪い数値は次のとおりです。「純支払利息比率」と「負債回転期間」の2つだけ数値が小さいほど良い指標で、残りの6つの指標は数値が大きいほど良い指標となっています。

と、ここまでは登録分析機関や他の行政書士さんのホームページにも記載されている内容だと思います。重要なのは、この後です。売上も資産も潤沢にある大企業とは違い、売上10億円以下の中小建設業者においては8つの指標すべてを追いかけるのは現実的ではありませんし、その必要もありません!それはなぜなのかを説明したいと思います。次のグラフをご覧ください。

このグラフは、経営状況分析の8つの各指標が、どれだけY点に貢献しているかを示したものです。それぞれ一番良いときと一番悪い時のY点換算の数値が記載されています。パッと見てわかるように、指標によって一番良い時と一番悪い時の振れ幅に大きく差があります。例えば、一番左にある「純支払利息比率」は一番良いときは23.33点ですが一番悪いときは-396.75点となり、実に420点(P点換算で84点)強も差があります。一方で、左から4つめの「売上高経常利益率」を見ると一番良い時は64.41点ですが一番悪いときは-14.08点となり、その差は80点(P点換算で16点)程度の差しかありません。

この振れ幅に着目して8つの指標を見てみると、真ん中の2つの指標「売上高経常利益率」と「自己資本対固定資産比率」は一生懸命に対策をしても劇的な効果が得られないということになるので、中小建設業者がここに注力するのは得策とは言えません。そうなるとあと6つの指標が残るわけですが、一番右の2つの指標「営業キャッシュフロー」と「利益剰余金」については、売上10億円以下の中小企業においてはどうしても点数がつかないようになっている指標であり、かつ、ある程度中長期的な時間がかかる指標なので対策が難しいのが実情です。その理由については、各指標の解説のときに詳しくお話をします。社長は「振れ幅が大きいのにもったいない!」と思うかもしれませんが、この2つも気にしないでください。

そうすると残るのが、振れ幅の大きい順に、

  • 純支払利息比率
  • 総資本売上総利益率
  • 自己資本比率
  • 負債回転期間

の4指標です。ここまでグラフを見ながら説明したとおり、8つの指標は平等ではありません。したがって、中小建設業者の社長は8つの指標すべてを上げようとせず、メリハリをつけて対策を講じていくことが大切です。

次回から8回連続で経営状況分析(Y点)について解説していきます。単純な説明だけではなく、どうすれば点数が上がるのか、決算書のどこを見直せば良いのかを意識して書いていきますので、貴社で活かせそうなものはどんどん取り組んでみてください。

 
行政書士法人Co-Labo
 

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