3保険とも未加入だと-171点!挽回は不可能です。

この記事を書いている令和2年11月現在、経審においては「雇用保険・健康保険・厚生年金(以下「3保険」)の加入の有無」が社会性等(W)の評価項目となっています。令和2年10月の建設業法改正が与える影響についても最後の方で触れていますので、読み進めていただければ幸いです。

3保険未加入の業者に公共工事任せたいですか?

この「3保険の加入の有無」の評価項目は、経審においては珍しく、加点ではなく減点の評価項目となっているのが特徴です。減点の評価項目としては、この3保険のほかには「法令遵守の状況」だけです。「3保険の加入の有無」は、加入または適用除外だと0点、未加入だと各-40点(P点換算で各-57点)となっていて、3保険すべて未加入だとP点で-171点となる計算です。P点で-171点って、Y点だと-855点に相当し、これはもう致命的で取り返すことはまず不可能です。

そもそもなのですが、経審は公共工事の入札に参加するため、公共工事を受注するために受けるものです。公共工事を発注する側、つまり役所側の立場になって考えてみてください。地元に同じくらいの売上規模、従業員数、歴史の建設業者があります。A社は3保険すべてに加入していますが、B社は3保険に加入していません。どちらの会社に工事をお願いしたいと思いますか?

当然、A社ですよね。入るべき保険にきちんと加入して従業員を守り、納めるべき保険料をきちんと納めているわけですから当然です。一方でB社は3保険に加入せず、従業員を守る意識が希薄で、保険料も納めていない。役所側から見れば、必要な社会保障制度の一翼を担っているA社にお願いしたいと思うのが自然な流れです。

これは税金でも同じことが言えます。公共工事のお金がどこから出ているかと言えば、すべて税金です。国なら法人税や所得税など、都道府県なら都道府県民税や事業税など多数の税金がありますが、地元の業者にがんばってもらって、利益をあげてもらって、税金を払ってもらう。その税金でまた事業を行っていく。これが行政のあるべき姿です。したがって、税金を滞納している業者には工事をして欲しくないですし、途中で倒産されても困ります。そこで、入札参加登録の際には、税金の未納がないことを確認することがほとんどです。

この辺のことは『入札参加登録する上での最低限のルールは〇〇と●●です』でもまとめているので、ご参照ください。3保険への加入は経審や入札のことを考えて加入するのではなく、企業としての最低限の社会的責任であると言えます。

どうしても滞納してしまっているときの裏ワザ

既に知られていて裏ワザではないかもしれませんが、知っておくと何かの役に立つかもしれないのでここにも記しておきます。健康保険と厚生年金を数か月滞納してしまっている場合に、それでも経審では加入ありとして評価を受けたいですよね。その場合、決算月分だけ納付することが可能です。

なんとなくですがイメージとして、滞納していると一番古い分から支払っていかなければならないと思いますよね?健康保険と厚生年金は、実はそうではないのです。滞納している場合、いつの分から納付するかは自分で決めることができます。

例えば、9月決算の会社の場合、経審で加入ありと認めてもらうためには9月分の保険料を納付している必要があります。(行政によって前後の月まで確認するところもあります。)しかし、4月以降業績が振るわず、保険料をずっと滞納してしまっています。そんな状況下でも経審を受ける期日は容赦なくやってきます。そんな時、4~8月分は置いといて、9月分を先に払うことができるのです。

なお、雇用保険についてこれと同じことができるかについては未確認です。また、健康保険については協会けんぽであれば可能ですが、協会けんぽ以外の組合健保で同じことができるかについては未確認です。自社でこの裏ワザが使えるかどうかは、ご自身でご確認いただくようにお願いします。

3保険は、5年後に経審の評価項目から外れる

繰り返しになりますが、令和2年11月現在、経審においては雇用保険・健康保険・厚生年金(以下「3保険」)への加入の有無が社会性等(W)の評価項目となっています。しかし、令和2年10月に改正建設業法が施行され、3保険への加入が許可の要件になりました。

新規の許可申請はもちろんのこと、許可更新、業種追加や般特新規など既存の建設業許可業者が行う各種申請においても今後は3保険の加入が必須となります。ただ、既存の許可業者は令和2年10月1日時点で未加入であっても、3保険未加入を理由に直ちに許可取消しということにはならず、次の許可の更新申請時まで3保険への加入が猶予されています。

今般の改正が経審にどう影響するのかが気になり、「3保険の加入が許可要件になったが、経審の評価項目の見直し(3保険を評価項目から削除)はしないのか?」と国交省本省の方に質問したところ、「現時点では無し」との回答でした。

しかし。5年度には建設業許可業者=3保険加入業者(適用除外を含む)となることは確実ですから、3保険は経審の評価項目から外れることは間違いないでしょう。その代わりにどのような評価項目が入ってくるのか、考えてみるのもなかなか面白いものです。

 
行政書士法人Co-Labo
 

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